私立中高一貫校

これまでの伝統の上に
「0から1を生み出す力」を育てる教育を

三輪田学園中学校・高等学校

創立134年を迎える三輪田学園は、「女子に学問を」というスタンスで設立。「徳才兼備の女性の育成」を教育理念に、精神的に自立した女性を育て続けてきた。同校ではこれまでの伝統を守りつつ、時代の変化に合わせ、海外大学への進学を視野に入れた英語教育や高大接続教育、新たな探究学習“MIWADA-HUB”の導入など、教育改革に積極的に取り組んでいる。同校の教育について、塩見牧雄新校長にお話をうかがった。

塩見牧雄校長

自分の人生を自分で切り拓く女性を育成

新しい時代に向けての教育改革に取り組み続けている三輪田学園。塩見牧雄校長は、取り組みの背景に「10年後、20年後を意識した教育」を掲げる。

「AIの発達やグローバル化の進展により、今までとは違う、想像もできない時代がやってきます。そうした時代に求められるのは、自分の人生を自分で切り拓いていく女性。三輪田学園は、そのために必要な力を身につけられる学校でありたいと考えています」

同校が21世紀を生きるために必要な教育として掲げているのが英語教育とICT教育だ。

英語教育では、2020年度から英検利用入試を導入。英検級に応じた習熟度別授業をスタートさせた。加えて海外大学への進学を視野に入れた多彩な研修・留学プログラムや、目的にあわせたe-ラーニング教材を用意し、生徒の英語力向上を目指している。

一方のICT教育でも、独自の取り組みを進めている。2018年度より生徒全員にiPadを配布し、授業の中で積極的に活用している。また生徒用のPCはApple社のMacBookを使用し、Illustratorなどプロデザイナーも使用するAdobe Creative Cloudのすべてのアプリをインストール。生徒のあらゆるニーズに応える環境を整えている。加えて全校生徒と全教職員はOffice 365 ProPlusのライセンスを持っており、2020年度の臨時休校時には、いち早く双方向のTeamsやZoomによるオンライン授業を実践する推進力となった。

自分と周囲の人、自分と学問、自分と社会をつなぐ探究学習『MIWADA-HUB』

校長就任を機に、塩見校長はより積極的に「哲学・探究する女性」、「挑戦・行動する女性」を育てる」と話す。「英語教育とICT教育を盾とすれば、矛となるのが、哲学・探究学習と得意科目です。新学習指導要領にある“主体的で対話的で深い学び”にも対応した、本校独自の試みを進めています」

左は三輪田学園の周辺を散策して歴史を学ぶ講座「ブラみわだ」
右はプログラミング講座「Miwada Code Girls-Beginner-」

まず2019年度より「三輪田学」を導入。学園や周辺地域など、グループごとにテーマを決め、自分たちで調べて発表するという取り組みを始めた。また自分の頭に浮かんだ疑問をテーマに、10数人のグループで話し合う「哲学対話」も実践。加えて2021年度からは、中2生対象の新たな探究授業“MIWADA-HUB”も始まった。9つの講座からクラス・教科の枠を超え、生徒が興味のある分野を選んで学びを深めていくもので、自分と学問、自分と社会をつなぐことを目的としている。ちなみにMIWADA-HUBには、プログラミングでドローンを制御すること、MESH(プログラミングブロック)で商品を企画するという内容の『Miwada Code Girls-Beginner-』という講座もある。

「MIWADA-HUBのHUBとはつなぐことを表しており、自分と周囲の人、自分と学問、自分と社会をつなぐことを目的としています。めまぐるしく変化する社会、正解のない課題が立ちはだかる世界で、問題を見つける力、自ら解決方法を模索するという試みを通して、ワクワクする学びの場を提供したい。新たな学びにより、『0から1を生み出す力』を育てたいと考えています」(塩見校長)

また、前述のMIWADA-HUBにはプログラミングでドローンを制御すること、MESH(プログラミングブロック)で商品を企画するという講座もある。「中2向けの授業ですから、“プログラムは何かを制御するもの”ということを理解してもらいたいと考え、ドローンを飛ばすことにしました。その上で『あったらいいな』を考える。中学生だからこそのアイデアや柔軟な考えに出会えるのを期待しています」(小井田先生)

ほかにも同校では、学校をあげてESD for SDGsに取り組んでいる。学年の取り組みとして、社会科読書(中3)、道徳・ホームルーム(中学各学年)、総合的な活動の時間(中高各学年)を利用するほか、発展型として法政大学との高大連携プロジェクト「SDGs実践講座」や、外濠フレンズ、ブルーアースプロジェクト、模擬国連会議といった活動に参加。また、生徒会もTable for TwoやWFP(国連世界食糧計画)、UNICEF(国連教育科学文化機関)、国際赤十字、国境なき医師団などの活動に協力してきた。ここでも活動を通して、生徒たちは自分と課題を結びつけ、自分と社会をつなげながら、新たな学びに挑んでいる。

ICTデジタル部部長 小井田幸也先生

『三輪田学園は心の故郷』卒業後も途絶えない確かな絆

こうした新しい試みを進める一方、三輪田学園には創立時から変わらない、ここで学び育つ生徒一人ひとりが大切に育んでいる人生の基軸がある。それが校歌にも謳われている「誠のほかに道なし」だ。

創設者・三輪田眞佐子は、夫の死後、身につけた学問を活かして教育に携わった。その経験をもとに、「学問によって身を立てることができるように」と明治20(1887)年、女子教育に特化した私塾を開設。これが現在の三輪田学園の基だ。良妻賢母育成を目指す学校が多い中、「女子にも学問を」との考えは、スタート時から変わらない同校の教育の基礎であり、「誠実であること」が三輪田教育で最も大切にされていることだ。

「誠のほかに道なし」を常に念頭に置き、一日一日を充実して過ごすことが「道=人間の正しい生き方」を実践することになる。三輪田学園では日々の教科指導や特別活動、道徳、学校行事などの全ての時間でこの考えが守られている。

またこうした考えは、在学生はもちろん卒業生にも深く浸透しており、中学・高校時代に留まらない人間関係も築かれている。同校には卒業生によるチューター制度があるほか、卒業生を招いての講演など卒業生とのつながりが深い。また文化祭などの行事をはじめ、さまざまな機会を利用して母校を訪れる卒業生が絶えないという。

「教員と生徒の距離の近さも本校の特長であり、その絆は卒業後も変わりません。在学時には反抗的だった生徒が、卒業後10年以上経ってから文化祭に訪ねてきて『ありがとうございました』と言ってくれた時は嬉しかったですね。また『三輪田学園は故郷だ』と言ってくれた生徒もいます。いつでも帰れる場所として、本校の扉はいつも開かれていますから、卒業生も気軽に訪ねて来てください」(塩見校長)

第69回三輪田祭 “Rainbow”

最後に、塩見校長に保護者へのメッセージをいただいた。

「私たちは3つの信託にお応えしなければならないと考えています。1つは保護者。お子様を信じ託してくださる信頼に応えられる存在であること。2つ目は社会。将来社会を形成する一人ひとりの子どもに、社会が必要とする力を身につけられる場であること。そして3つ目は生徒たち自身です。生徒一人ひとりが未来からお預かりしている大切な存在であり、多感な6年間を三輪田で過ごし、人としての大事な基礎を身につけて欲しい。この3つの信託に応えられるよう、教職員全員が日々取り組んでいます。これからの三輪田学園にご期待ください」