WILLナビDUALアーカイブ 私立中高一貫校

英語と体験を重視し、自立した女性を育成

江戸川女子中学校・高等学校

1931年の創立以来、新しい時代にふさわしい「教養ある堅実な女性」の育成をめざしてきた江戸川女子。伝統の情操教育に加えて英語教育、海外生活を体験する機会も豊富に用意している。今年度からはオンライン英会話も導入。同校の教育の特徴を紹介しよう。

体験学習を通して生きた学びを実現

江戸川女子では65分授業・2期制・6日制の独自の教育システムを採用。6年間をトータルにとらえた無理のない学習計画を立てている。たとえば国語では、1年次~3年次で「論理エンジン」を使い、論理的思考力を強化。3年次よりオリジナルテキストを活用した古典授業を開始し、文法を中心に大学入試に直結した独自の古典教育を実践。また数学では習熟度別の少人数クラス編成や複数教員による指導など、丁寧で細やかな指導も特徴だ。

「中学・高校は人格形成の上で重要な時期。本校では校外学習や理科の実験・観察など、自らの目で見、肌で感じる体験学習の場を数多く設けています。また特別教育活動として中1は茶道、中2は箏曲、中3は華道の授業を実施。日本の伝統文化を体験すると同時に、和室での立ち居振る舞いを身につけることで、女性としての感性・品格を磨く機会を設けたり、体育祭や文化祭などのイベントを生徒主体で行うなど、一人ひとりが自分の居場所を見つけ、輝けるような教育を意識しています」。入試対策委員の水嶋瞳先生は、同校の教育をこう語る。

独自の教育プログラムに加え、早い時期から進路指導を行っているのも同校の特徴だ。中2の頃から自分の将来を考える機会を設け、中3では大学見学や職業インタビューを実施。生徒一人ひとりが進路を明確にしたうえで、高校からは難関私大への現役合格をめざす普通科Ⅱ類、国公立大をめざす普通科Ⅲ類、英語の授業時間や海外研修を多く設定した英語科の3つに分かれて、志望大学の受験科目に合わせた効率的な教育を行っていく。近年、大学合格実績を大幅に伸ばしているのは、こうしたところに理由があるようだ。

「本校の目標は自立した女性を育てること。女子校ならではののびのびとした環境の中、さまざまな体験を通して自由な感性を磨き、将来の糧にしてもらえればと思っています」(水嶋先生)

熊川 美帆子先生(左) 水嶋 瞳先生(右)

オンライン英会話を導入。「使える英語」をさらに伸ばす

これからの時代、海外との交流はますます盛んになり、英語力が一層必要とされる。江戸川女子では、早くから英語教育に力を入れてきた。

中学では「プログレス21」を使用し、4技能をバランスよく高める英語教育を展開。中2からは文法問題集を併用し、さらに週1時間、外国人教師と日本人教師による英会話を導入することで、伝達手段としての英語と大学入試に必要な受験英語の両方をしっかり身につける。こうした指導により、例年中学卒業段階で7割前後の生徒が英検準2級を取得している。

英語力のさらなるアップをめざして、江戸川女子では今年度から高1を対象に「オンライン英会話」を導入した。「1対多の授業では、生徒によって発言の機会に差が出てきます。オンライン英会話は生徒1人ひとりがネイティブ教員と1対1で話すことになるため、積極的にならざるを得ない。生徒にもっと英語を話してもらおうと考え、導入を決めました」。英語科主任の熊川美帆子先生はこう語る。

授業は25分間のオンライン授業と振り返り、次回の予習で構成される。授業の後には生徒がメールで授業の感想を送り、ネイティブ教員からも丁寧なコメントが返されてくる。最初は戸惑う生徒もいたが、回数を重ねるうちに会話に慣れ、自由な会話も増えているという。

「ネイティブ教員からの『こういうところがよかった』といったコメントが、いいモチベーションになっているようです。スピーキングの強化を目的に導入したのですが、メール作成を通してライティングの強化も図れる。何より、生徒が楽しそうに授業に臨んでいるので、導入してよかったと思っています」と熊川先生。授業の成果が楽しみだ。

オンライン英会話では1対1で学ぶため、
生徒一人ひとりが自分ごととして取り組むことになる